結論:マカオの両替は少しずつで足ります。パタカと香港ドルは1.03対1でつながっており、1対1で受け取られる場面でも目減りは約3%にとどまるからです。
この記事でわかること
- パタカを発行する2行は、1香港ドル=1.03パタカで香港ドルを金融管理局へ納めている
- 軽軌の窓口は香港ドル・人民元を1対1で受け取ると公式に明記している。差の約3%が目減りになる
- 銀行の買値と売値の開きは、香港ドル0.17%に対して日本円0.74%、人民元1.10%
- バスは現金6パタカで車内に両替がない。支付寶と微信支付の乗車碼も6パタカで割引はない
- 現金は12万パタカ以上で申告が要る。入境時は7日以内で5,000パタカ(約95,500円)の持ち合わせが求められる
★ この記事だけの情報
- 通貨ごとに、銀行の買値と売値の開きを計算しました(香港ドル0.17%に対し、日本円は0.74%、人民元は1.10%です)
- 『1対1で通る』を、公式の記載がある場所まで絞りました(軽軌の窓口が公式に明記しているのは、この1対1です)
- 支付寶と微信支付は、バスでは割引が効きません(1回6パタカのままで、乗り継ぎの優待も付きません)
この記事に出てくる言葉
- パタカ
- マカオのお金の単位です。1パタカは約19.1円で、MOPと書かれることもあります。
2026年9月8日の銀行レートで計算しためやすです - アボス
- パタカの下の単位です。1パタカが100アボスにあたります。
- 香港ドル
- 香港のお金です。マカオでも、そのまま受け取ってもらえる場面があります。
1対1で計算されると、約3%目減りします - 聯繫匯率制度
- あるお金を、別のお金に固定した比率で結びつけるしくみです。マカオは香港ドルに結びつけています。
- 澳門通
- マカオの交通カードです。日本のSuicaのように、かざして支払えます。
- LRT
- マカオを走る小さな電車です。中国語では軽軌と書きます。
- 乗車碼
- スマホの画面に出すバス用のQRコードです。かざすと料金が引かれます。
なぜマカオでは、2種類のお金がふつうに混ざって使われているのか?
マカオのお金はパタカです。ところが香港ドルも、そのまま受け取ってもらえる場面があります。両方が回っています。
理由は、2つの通貨が金融の制度でつながっているからです。だから片方が動けば、もう片方も動きます。
パタカは、香港ドルに結びつけてある
マカオでお札を刷っているのは、実は中央銀行ではありません。中國銀行と大西洋銀行という、2つの銀行が刷っています。
この2行は、お札を発行するときに同じ額の香港ドルを金融管理局へ納めます。そのときのレートが、すなわち1香港ドル=1.03パタカに固定されています。
だから発行されたパタカは、100%が外貨の準備で裏づけられています。金融管理局は、この制度を聯繫匯率制度とよんでいます。
観光局の案内では、公式のレートは100香港ドル=103.20パタカです。そのうえで、10%までのずれが認められると書かれています。
だから軽軌の窓口は、1対1で受け取る
受け取った香港ドルは、あとで銀行に持ち込めます。受け取る側は損をしません。
実際、政府が出資する軽軌の公式サイトにはっきり書いてあります。窓口ではパタカ・香港ドル・人民元を、いずれもレート1対1で受け取ると明記されています。
ただし、おつりはすべてパタカで返ってきます。旅行者の財布には、つまり自然にパタカがたまっていきます。
街の店がどんなレートで受け取るかは、公式には示されていません。だから、この記事で数字を出せるのは軽軌の窓口までです。
だからパタカは、値くずれしにくい
金融管理局は、発行したパタカの全額を外貨で裏づけると定めています。つまり刷った分だけ、香港ドルが積まれています。
裏づけがある通貨なので、値動きは小さくなります。
観光局の案内では、およそ8パタカが1米ドルにあたります。旅行者から見ると、値動きの少ない通貨だと考えてよいでしょう。
1対1で受け取られると、どれだけ損をする?
差は約3%。ただし、思っているほど大きな額にはなりません。
1対1で受け取られるのは、つまり1.03パタカの価値があるお金を1パタカとして使うことです。その分が目減りします。
1万円ぶんで、いくら違うのか
1パタカは約19.1円です。中國建設銀行澳門分行が2026年9月8日に公表したレートで計算しました。
1万円は、およそ522パタカにあたります。仮に同じ額を1対1で使ったとすると、目減りは15パタカほどです。
円にすると約290円。3泊の旅で気にする額かどうかは、もちろん人によります。
とはいえ香港から来る人は、手元の香港ドルをそのまま出せます。替える手間と3%を、そこで天びんにかけてください。
買値と売値の差は、通貨によってちがう
もう一つ知っておきたいのが、銀行の買値と売値の開きです。ここは、実は通貨ごとに大きく違います。
建行の同じ日のレートで計算すると、香港ドルの開きは0.17%でした。米ドルも、同じく0.18%です。
ところが日本円は0.74%、人民元は1.10%まで広がります。つまり日本円は、香港ドルより替えるときの目減りが大きい通貨です。
★ 独自の比較・試算|替えるときの目減りは、通貨で4倍ちがいます
同じ日の同じ銀行のレートで、買値と売値の開きを計算しました。香港ドルは0.17%、米ドルは0.18%です。
ところが日本円は0.74%、人民元は1.10%まで広がります。つまり日本円は、香港ドルの4倍ほど開きが大きい通貨です。
もっとも、10万円を替えても差は700円ほどにとどまります。香港を経由する旅なら、手元の香港ドルを持ち込むほうが有利という程度に考えてください。
中國建設銀行澳門分行が2026年9月8日23時39分に公表したレートから当編集部が計算
どこで替えるのがいい?
観光局は、空港・港・多くのホテルで両替ができると案内しています。銀行と両替商も、同じく街のほとんどの場所にあります。
つまり「替えられずに困る」ことは、まず起きません。悩むのは場所ではなく、いくら替えるかのほうです。
だから空港で全額を替える必要もありません。着いた日に足りる分だけ替え、残りは街で足すほうが身軽です。
着いた日に空港や港からどう動くかは、マカオへの行き方の完全ガイドで順にたどれます。
お札は6種類、硬貨は7種類ある
紙幣は10・20・50・100・500・1000パタカの6種類です。硬貨は、さらに10・20・50アボスと1・2・5・10パタカがあります。
アボスは、いわばパタカの下の単位です。1パタカが100アボスにあたります。
下の表に、円のめやすを添えました。1000パタカ札は約19,100円ぶんなので、街の小さな店では出しにくい額です。
マカオで手にするお札と硬貨の一覧です。円のめやすを添えると、金額の感覚がつかみやすくなります。
| 額面 | 種類 | 日本円のめやす |
|---|---|---|
| 10パタカ | 紙幣 | 約190円 |
| 20パタカ | 紙幣 | 約380円 |
| 50パタカ | 紙幣 | 約960円 |
| 100パタカ | 紙幣 | 約1,900円 |
| 500パタカ | 紙幣 | 約9,600円 |
| 1000パタカ | 紙幣 | 約19,100円 |
| 1・2・5・10パタカ | 硬貨 | 約19〜190円 |
| 10・20・50アボス | 硬貨 | 約2〜10円 |
額面の出典:澳門特別行政區政府旅遊局 Practical Info(2026年9月9日確認)。円のめやすは1パタカ=19.1円で当編集部が換算。レートは中國建設銀行澳門分行が2026年9月8日23時39分に公表した取得時点の参考値です
米ドルや人民元も持っていくべき?
その必要はありません。マカオで日常的に通るのは、パタカと香港ドルの2つです。
人民元は、店によって扱いが分かれます。軽軌の窓口では受け取ってもらえますが、一方で10元未満の紙幣と硬貨は断られます。
つまり中国本土から陸で入る人以外は、人民元を用意する意味は薄いといえます。
カードの手数料は、出した銀行が決める
観光局は、カードを発行した銀行が手数料を取る場合があると書いています。つまり手数料の額は、マカオ側ではなく日本側で決まります。
だから出発前に、自分のカード会社の海外での手数料を確かめておくと安心です。1回ごとの定額なのか、金額に応じた割合なのかで、使い方が変わります。
硬貨は、最後まで使い切る
硬貨は、どの国でも両替の対象から外れることがあります。持ち帰ると使い道が限られてしまいます。
だから帰る前に、コンビニや自動販売機で使い切っておくと無駄がありません。
カードとスマホ決済は、どこまで使える?
観光局は、UnionPay・JCB・Visa・Mastercardなどが広く使えると案内しています。ただしカードを出した銀行が、手数料を取る場合もあります。
スマホの決済も、同様に外国のものが数多く受け付けられています。例えば中国本土と香港の微信支付、韓国のKakaoPay、フィリピンのGCashなどです。
同じ支払い手段でも、店と交通機関では扱いが変わります。バスと軽軌の列がとくに違います。
| 支払い手段 | 店・ホテル | バス | 軽軌(LRT) |
|---|---|---|---|
| パタカの現金 | 使える | 使える(6パタカ・車内に両替なし) | 券売機も窓口も使える |
| 香港ドルの現金 | 店による | 交通事務局の規定になし | 窓口のみ1対1で使える |
| 人民元の現金 | 店による | 交通事務局の規定になし | 窓口のみ。10元未満は使えない |
| Visa・Mastercard・JCB | 使える | 使えない | 窓口のみ |
| 澳門通などマカオの電子決済 | 使える | 使える(3パタカ) | 使える(半額) |
| 支付寶・微信支付(中国本土/香港) | 使える | 使える(6パタカ・割引なし) | 窓口のみ |
出典は観光局のPractical Infoと市內交通、交通事務局『巴士車資』、輕軌の『車票及車費』です。いずれも2026年9月9日に確認しました。『店による』は、店舗でのレートについて公式の記載が見つからなかった項目です
日本のスマホ決済は、一覧に載っていない
観光局が名前を挙げているアプリを見ると、顔ぶれに特徴があります。韓国・フィリピン・マレーシア・タイ・シンガポールのものが並びます。
ところが日本のQR決済アプリは、一つも入っていません。つまり日本で使い慣れたアプリは、そのまま出しても通らないと考えておくほうが安全です。
もっともApple PayとSamsung Payは、同じ一覧に載っています。カードを登録したスマホなら、かざして払えます。
すなわち日本から持っていくべきなのは、QRのアプリではなくカードです。
★ 知らないと損|観光局の決済アプリ一覧に、日本のアプリはありません
観光局が名前を挙げているのは、中国本土と香港のほか、韓国・東南アジア・欧州のアプリです。KakaoPay、GCash、Touch’n Go、TrueMoney、Changi Payなどが並びます。
ところが日本のQR決済アプリは、一つも入っていません。
一方でApple PayとSamsung Payは載っています。カードを登録したスマホなら、かざして払えます。
つまり日本から持っていくべきなのは、QRのアプリではなくカードです。
澳門特別行政區政府旅遊局 Practical Info の記載(ページ更新日2026年4月8日/2026年9月9日確認)
バスと軽軌は、現金の扱いが特殊
バスの料金は1回6パタカ。交通事務局の規定では、一方で澳門通のような電子カードなら3パタカ、快線でも4パタカです。
現金で払う場合、車内で両替はできません。観光局も、硬貨を自分で用意するよう案内しています。
軽軌の自動券売機は、さらに厳しい決まりです。公式サイトによると、受け付けるのは澳門元の現金だけになります。
窓口なら、一方で香港ドルと人民元も使えます。ただし人民元は10元未満の紙幣と硬貨、香港ドルは10ドル硬貨が断られます。
軽軌のカードは、カード代が30パタカ
軽軌には輕軌通という電子カードがあります。ただし買うときに、カード代として30パタカがかかります。
このカード代は返ってきません。3日ほどの旅なら、むしろ単程票を都度買うほうが安く済む場合もあります。
単程票は代幣という形で売られ、公式サイトによると発行された日にしか使えません。券売機で買うときは、すなわち澳門元の現金が要ります。
支付寶と微信支付は、バスでは割引が効かない
交通事務局が承認した電子決済は12種類です。そのうち中国本土と香港の支付寶・微信支付なら、旅行者でも乗車碼を使えます。
ところが、この2つで払うと1回6パタカのままです。交通事務局は、車資の優待も乗り継ぎの優待も付かないと明記しています。
半額の3パタカになるのは、澳門通のような儲值卡です。短い旅なら、むしろ現金6パタカのほうが手間はかかりません。
★ 知らないと損|スマホ決済でバスに乗ると、半額になりません
交通事務局は、支付寶と微信支付の乗車碼で払ったバス代を1回6パタカと定めています。しかも、乗り継ぎの優待も付きません。
半額の3パタカになるのは、澳門通などマカオの金融機関の決済だけです。短い旅では、むしろ現金で6パタカを払うほうが手間がかかりません。
澳門交通事務局『巴士車資』(最終修改日2026年7月7日/2026年9月9日確認)
現金は、どれくらい持っていけばいい?
金額の目安を決める前に、まず上限と下限を押さえます。どちらも法律で決まっています。
上限は12万パタカ
観光局の案内では、現金や小切手などが12万パタカ以上になると申告が要ります。赤いレーンを通り、税関に申告書を出す決まりです。
出るときに税関から聞かれて、仮に正しく答えなかった場合は罰金です。額は1,000パタカから500,000パタカのあいだになります。
もっとも、ふつうの旅行で12万パタカを超えることはまずありません。日本円にすると、およそ229万円です。
下限は入境のときに見られる
マカオに入るときは、逆に「持っていること」を示す必要があります。つまり泊まる日数に応じた金額が決められています。
7日以内なら5,000パタカ、8日から14日なら10,000パタカです。さらに15日から21日は15,000パタカ、21日を超えると20,000パタカになります。
5,000パタカは、日本円でおよそ95,500円です。もっとも、現金で持っている必要があるとまでは書かれていません。
くわしい入境の条件は、マカオ旅行の準備で決める6つのことにまとめました。
実際に使う金額の見当は、マカオの物価と3日間の予算の目安のほうが参考になります。
両替でつまずきやすいのは、どこ?
つまずくのは、レートそのものではありません。むしろ、おつりと小銭のところです。
おつりは必ずパタカで返る
香港ドルで払っても、返ってくるのはパタカです。軽軌の公式サイトは、おつりを一律で澳門元にすると書いています。
だから香港へ戻る予定の人ほど、香港ドルを出すほど手元にパタカが増えます。もちろん、その逆は起きません。
その場合、最終日に大きな買い物を香港ドルでする順番にすると余りが減ります。
替えすぎないほうが安全
観光局は、カードとスマホ決済が広く使えると案内しています。現金が要る場面は、例えばバスの車内です。
まず数千パタカを替え、足りなくなったら足す。これで足ります。
台風が近づく日は、店の開き方も読めなくなります。前の日に少し多めに替えておくと落ち着きます。
台風のときに何が止まるかは、マカオのベストシーズンと月別の天気にまとめてあります。
まとめ:替えるのは少しずつ、払うのはパタカで
おさえるのは3つだけです。パタカと香港ドルは1.03対1でつながっていること。1対1で受け取られる場面では約3%目減りすること。おつりはパタカで返ること。
この3つが分かっていれば、レート表を細かく見比べる必要はありません。あとは使うだけです。
替えるのは、まず空港で数千パタカ。街に着いてから、足りない分を銀行で足す形にすると余りません。
両替所を探して歩く時間は、けっきょく観光の時間を削ります。だから場所選びに時間をかけない、と決めておくほうが得です。
持っていくのは、まず数千パタカぶんの現金とカードです。あとは足りなくなったときに、街の銀行で足せば済みます。
ネットにつながっていれば、その場でレートも確かめられます。選び方はマカオでスマホをネットにつなぐ方法の選び方にまとめました。
よくある質問
そもそも、なぜ香港ドルがマカオで通じるのですか?
パタカが香港ドルに固定で結びつけてあるからです。発券銀行は1香港ドル=1.03パタカで香港ドルを納めています。
1パタカは日本円でいくらですか?
約19.1円です。中國建設銀行澳門分行が2026年9月8日に公表したレートから計算しました。
香港ドルで払うと、どのくらい損をしますか?
約3%です。1万円ぶんを1対1で使った場合、目減りは15パタカ、およそ290円になります。
マカオのバスは現金で払えますか?
払えます。ただし車内で両替はできないので、6パタカちょうどを用意してください。電子カードなら3パタカです。
余ったパタカはどうすればいいですか?
硬貨は両替の対象から外れることがあるため、帰る前に使い切ると無駄になりません。紙幣は次の旅まで取っておけます。
日本のスマホ決済アプリは使えますか?
観光局の一覧に日本のQR決済は入っていません。Apple PayとSamsung Payは載っているので、カードを登録したスマホなら払えます。
現金をたくさん持ち込むと申告が要りますか?
12万パタカ以上で申告が要ります。出るときに正しく答えないと、1,000〜500,000パタカの罰金です。
この記事の調べ方
- 金融管理局の英語版ページで、発券銀行の名前と1香港ドル=1.03パタカという固定レートを確かめました
- 観光局の Practical Info で、公式レート・紙幣と硬貨の額面・使えるカードと決済を読み取りました
- レートは中國建設銀行澳門分行が2026年9月8日23時39分に公表した表から取りました
- 『1対1』の裏づけには、澳門輕軌股份有限公司の公式サイトの記載を使いました。観光局のCurrency節には店舗でのレートの記載がないため、店については断定していません
- バスと軽軌の現金の扱いは、交通事務局と輕軌の公式ページを1つずつ開いて確認しました
この記事の出典
- Monetary Authority of Macao 流通貨幣(2026-09-09 に確認)
- 澳門特別行政區政府旅遊局 Practical Info(2026-09-09 に確認)
- 中國建設銀行澳門分行 外幣匯率(2026-09-09 に確認)
- 澳門輕軌股份有限公司 車票及車費(2026-09-09 に確認)
- 澳門交通事務局 巴士車資(2026-09-09 に確認)
- 澳門特別行政區政府入口網站 Immigration Clearance of Non-residents(2026-09-09 に確認)
- 澳門特別行政區政府旅遊局 市內交通(2026-09-09 に確認)


