結論:マカオのカジノで法律が名指しで縛っているのは、写真と電話です。ドレスコードにあたる条文はなく、服装は会社が判断します。
この記事でわかること
- 娛樂場の中では、どこであっても映像と音声を記録できない
- 賭博テーブルとその周囲3メートル以内では、通信機器を使えない
- 服装についての条文は法律のどこにもない。会社が入場を断れる規定があるだけ
- 会社が断ってはいけない理由は9つ挙がっているが、そこに服装は入っていない
- 注意に従わないと退場になり、罰金と入場禁止の対象になる
★ この記事だけの情報
- 服装についての条文は、法律のどこにもありませんでした(差別を禁じる9つの理由にも、服装は入っていません)
- 撮影と通信機器では、禁止の範囲が違います(3メートルという数字は、通信機器のほうだけに書かれています)
- 記録した形跡があれば、消すよう命じられます(従わないこと自体が、退場と罰金の対象です)
この記事に出てくる言葉
- 娛樂場
- マカオの法律や公式の文書で、カジノを指す言葉です。
- 承批公司
- 政府から営業を許された、カジノを運営する会社です。マカオには6社あります。
- 博彩監察協調局
- マカオ政府でカジノを見張っている役所です。
英語やポルトガル語の頭文字からDICJとも書かれます - パタカ
- マカオのお金の単位です。1パタカは約19.1円です。
2026年9月8日の銀行レートで計算しためやすです - ドレスコード
- その場所にふさわしいとされる服装の決まりです。
- 幸運博彩
- マカオの法律で、カジノの中で認められた賭けごとを指す言葉です。
- ディーラー
- カジノでカードを配ったり、ゲームを進めたりするお店の人です。
- チップ
- カジノでお金の代わりに使う、色分けされた円い札です。
受付でお金と引きかえます
そもそも、カジノの決まりは誰が作っているのか?
2つの層に分かれています。すなわちマカオの法律が決めていることと、会社が決めていることです。
だから「決まり」と一口に言っても、破ったときに起きることがまったく違います。
法律が決めているのは、記録と通信
写真・動画・録音と、テーブルのそばでの通信機器の使用。この2つには条文があります。守らなければ罰金です。
つまり会社が大目に見るかどうかの話ではありません。
会社が決めているのは、入れるかどうかの判断
承批公司には一方で、ふさわしくないと判断した人の入場を断り、退場させる権利があります。ただし、そこに服装という言葉は出てきません。
服装はすなわち「会社の判断」の側にあります。店ごとに違い、そして日によっても違い得ます。
先に結論:法律が名指しするのは、写真と電話
マカオの法律が名指しで縛っているのは、記録と通信の2つです。服装についての条文はありません。
服装だけが、法律の側に条文を持ちません。
| 項目 | 法律の定め | 破ったときに起きること |
|---|---|---|
| 写真・動画・録音 | 娛樂場内のどこでも禁止(第八-A條) | 注意に従わなければ退場。罰金と入場禁止の対象 |
| 通信機器の使用 | 賭博テーブルと周囲3メートル以内で禁止(第八-A條) | 同上。テーブルから離れた場所は禁止の範囲外 |
| 記録を消す命令 | 監督官やカジノの管理職員が機器と記録の提示を求め、破棄を命じられる(第八-A條第二款) | 従わないこと自体が退場と罰金の対象 |
| 服装 | 条文なし | 会社が入場を断ることはできる。法律違反にはあたらない |
| 入場を断る理由 | 9つの差別を禁止(第七條) | 服装はこの一覧に入っていない |
出典:第17/2018號法律による改正後の第10/2012號法律(2026年9月9日確認)
覚えるのは、この3つ
1つめ、娛樂場の中ではどこであっても映像と音声を記録できません。2つめは、賭博テーブルとその周囲3メートル以内では通信機器を使えない、ということです。
3つめ、服装は法律ではなく会社の判断です。断られても、それは法律違反にはあたりません。
撮影と通話は、どこまでが禁止?
条文はかなり広く書かれています。つまり「娛樂場内の任意の場所」で記録を禁じる、という書き方です。
「テーブルを撮らなければいい」ではない
禁止されているのは、場内のどこかで映像や音声を記録すること。天井の装飾を撮るのも、つまり条文の上では同じ扱いです。
条文の言葉は「娛樂場内の任意の場所」。だから「テーブルを避ければよい」という読み方は成り立ちません。
もっとも、その外側がどこまでかは書かれていません。中のレストランや店が含まれるかどうかは、条文からは読み取れません。
ただし例外が1つあります。博彩監察協調局の局長が許可した場合です。
★ 知らないと損|撮影の禁止は、テーブルだけの話ではありません
条文は「娛樂場内の任意の場所で映像または音声を記録すること」を禁じています。場所を限定していません。
つまり内装や天井を撮る行為も、条文の上では同じ扱いです。もっとも、その外側がどこまでかは条文に書かれていません。
一方で通信機器のほうは、賭博テーブルとその周囲3メートル以内に限られています。撮影と通話で範囲が違う、というのが条文の作りです。
第17/2018號法律により改正された第10/2012號法律 第八-A條(2026年9月9日確認)
電話は「3メートル」という線がある
通信機器のほうは、禁止の範囲が数字で書かれています。賭博テーブルと、その周囲3メートル以内です。
テーブルから離れれば、条文の上では電話そのものを使えます。記録のほうは場所を問わないので、ところが離れても撮れません。
つまりこの2つは範囲が違う、というのが条文の作りです。
記録した形跡があると、消すよう命じられる
許可なく記録した形跡があるとき、機器と記録を見せるよう求められます。求めるのはフロアの係員ではありません。博彩監察協調局の監督官か、カジノの管理職員です。
その人たちには、記録を消すよう命じる権限もあります。だから命令に従わなければ、それ自体が退場と罰金の対象になります。
服装は、何を基準に考えればいい?
法律に基準がない以上、考える手がかりは条文の別の場所にあります。すなわち会社が断れる権利と、断れない理由の一覧です。
断ってはいけない理由が、9つ並んでいる
会社は入場を断れますが、差別をしてはならないという条件が付いています。条文が挙げるのは、性別・人種・民族・肌の色・血統・国籍・住んでいる場所・言語・宗教の9つです。
この一覧に服装はありません。服装を理由に断ることは、つまりこの条文に触れないことになります。
「短パンとサンダルは断られることがある」という話は、だから法律ではなく会社の運用の話です。
★ 独自調査|差別を禁じる9つの理由に、服装は入っていません
承批公司は、ふさわしくないと判断した人の入場を断れます。ただし条文は、差別をしてはならないという条件を付けています。
そこに挙がっているのは、性別・人種・民族・肌の色・血統・国籍・住んでいる場所・言語・宗教の9つです。
この一覧に服装はありません。すなわち服装を理由に断ることは、この条文に触れないと読めます。日本語の記事が書く『ドレスコード』は、法律ではなく会社の運用の話です。
第17/2018號法律による改正後の第10/2012號法律 第七條(2026年9月9日確認)
公式に決まっていない、と書けることの意味
日本語の記事の多くは「スマートカジュアルが必要」と書いています。ところが、その根拠になる公式の文書が見つかりません。
マカオ政府の側が公表しているのは、会社が断れるという条文までです。一方で各社が服装の決まりを公表しているかどうかは、確かめられていません。
断定はできません。書けるのは「法律には定めがなく、会社の判断による」というところまでです。
迷ったときの考え方
条文は、迷惑になる振る舞いや、運営を妨げる振る舞いを退場の理由に挙げています。つまり法律が問うているのは、見た目ではなく振る舞いのほうです。
そこから言えるのはここまでで、「何を着れば入れるか」の答えにはなりません。会社の判断が残る以上、断られない保証はどこにもないからです。
条文を数えると、服装はどこにも出てこない
再公布された法律を、最初の条から最後の条まで読みました。ところが服装に触れた箇所は、1つもありません。
振る舞いの決まりはある。ただし服装は出てこない
場内の振る舞いを縛る条文は、記録と通信機器だけではありません。迷惑になる行為や、運営を妨げる振る舞いも、退場と罰金の対象として並んでいます。
ところが、そのどれも服装を名指ししていません。服装という言葉じたいが、条文に1度も出てこないのです。
退場の理由は9つ、罰金の対象は11種類
退場になる行為は9つ、罰金の対象になる行為は11挙げられています。ところが数えても、服装を指す項目はありません。
近いのは「迷惑になる行為をした」と「カジノの運営を妨げる、ほかの客の邪魔になる振る舞いをした」の2つです。すなわち問われるのは見た目ではなく、振る舞いのほうになります。
それでも会社は断れる
ここが分かりにくい点です。ただし法律に服装の定めがないことと、会社が断れることは両立します。
第七條が会社に与えているのは、理由を条文で限定しない裁量だからです。禁じられているのは9つの差別だけで、そこに服装は入りません。
注意されたあとに、何が起きる?
写真と電話については、順番が決まっています。つまり注意、退場、そして手続きの順です。
写真と電話なら、1回目は注意で済むことがある
条文の書き方は「注意したあとも違反を続けた場合」に退場、です。つまり撮影と通信機器については、最初から退場ではありません。
ただし、ほかの理由は違います。身分証の提示を断る、ゲームの決まりを破る、迷惑になる行為をする。これらは注意を挟まずに退場の対象です。
ところが注意に従わなければ、退場に加えて罰金の対象になります。額は1,000パタカから10,000パタカ、日本円でおよそ1.9万円から19.1万円です。
退場になると、しばらく入れない
退場になった人は、その日のあと第5営業日の終わりまで、その娛樂場に入れません。しかも期限の前に入ると、それがまた罰金の対象になります。
6か月から2年のあいだ、1つ以上の娛樂場に入れなくする処分が付くこともあります。
店の側には、監視の設備が義務づけられている
客が記録を禁じられている一方で、会社には電子的な監視の設備を入れる義務があります。しかも博彩監察協調局が承認した、高い国際水準のものでなければなりません。
同局が求めれば、娛樂場に続く通路や隣り合う区域にも設備が入ります。「見られていない場所」を想定した条文になっていません。
★ 独自の比較・試算|客は撮れない、店には監視の設備が義務づけられている
客の側は、場内のどこでも記録を禁じられています。一方で会社の側には、電子的な監視と監控の設備を入れる義務があります。
しかも設備は、博彩監察協調局が承認した高い国際水準のものでなければなりません。同局が求めれば、娛樂場に続く通路や隣り合う区域にも入ります。
つまり記録そのものが禁じられているのではなく、誰が備えるかが分けられている、という設計です。
第17/2018號法律 第八-A條、および娛樂場幸運博彩經營批給合同 第十三條(2026年9月9日確認)
まとめ:写真は法律、服装は会社
この2つを分けて覚えれば足ります。すなわち写真と録音は法律で禁止、テーブルの周囲3メートルでは電話も使えません。
服装のほうは法律に定めがなく、会社が判断します。「決まり」を探しても、だから公式の答えは出てきません。
入れるかどうかの条件は、マカオのカジノに入れる人と入れない人にまとめました。
どこへ行くかは、マカオのカジノ20軒がどこにあるかで選べます。
全体の流れは、マカオのカジノで決める4つのことに戻ってください。
よくある質問
マカオのカジノにドレスコードはありますか?
法律に服装の条文はありません。会社がふさわしくないと判断した人の入場を断れる、という規定があるだけです。
カジノの中で写真を撮れますか?
撮れません。娛樂場の中はどこであっても、映像と音声を記録できないと条文にあります。
スマートフォンを使えますか?
賭博テーブルとその周囲3メートル以内では使えません。離れた場所での通話は、条文の禁止の範囲外です。
撮ってしまったら、どうなりますか?
監督官やカジノの管理職員から機器と記録を見せるよう求められ、消すよう命じられます。従わないと退場と罰金の対象です。
注意されたら、すぐ退場ですか?
撮影と通信機器については、条文が「注意したあとも続けた場合」に退場と書いています。ほかの理由は注意を挟みません。
短パンとサンダルで入れますか?
法律には服装の条文がないため、公式には決まっていません。会社が入場を断ることはできます。
この記事の調べ方
- 条文は、第17/2018號法律の付属として再公布された第10/2012號法律の全文を読んでいます
- 服装については、法律の全文を通して該当する条文がないことを確かめました
- 差別を禁じる理由の一覧は、第七條の原文をそのまま数えています
- 監視設備の義務は、6社の批給合同のうち複数で同じ条文であることを確かめました
- 各社の公式サイトを検索した範囲では、カジノフロアのドレスコードの記載は見つかりませんでした
- 服装の不在を確かめたのは第10/2012號法律(再公布の全30條)と批給合同で、行政法規までは見ていません
ご注意
マカオのカジノに入れるのは21歳からです。この記事は旅行先での遊び方を紹介するもので、ギャンブルをすすめるものではありません。遊ぶ場合は、なくなっても困らない金額を上限として決めてください。
日本の中からインターネットのカジノにつないで遊ぶと、法律違反になります。ギャンブルで困ったときは、お住まいの自治体の精神保健福祉センターなどにご相談ください。
この記事の出典
- 第17/2018號法律(第10/2012號法律の再公布を含む)(2026-09-09 に確認)
- 娛樂場幸運博彩經營批給合同(2026-09-09 に確認)
- 博彩監察協調局 進入娛樂場に関する案内(2026-09-09 に確認)


